多汗症の原因と対策

> > 多汗症の原因と対策

多汗症の原因と対策

暑いわけでもないのに手が汗びっしょり、ワキ汗も服に染み出してしまって電車でつり革が握れない…。緊張すると顔汗が止まらなくて面接や人に会うのが辛い…。そんな経験ありませんか?

それは多汗症かも知れません。汗をかきすぎることで体臭の原因にもなりますし、生活やコミュニケーションする上でもとても不自由な病気です。「自分もそうかな?」と思うひとは、まずは改善のために一歩踏み出してみましょう。

多汗症はどんな病気?汗をかいてしまう理由

まず汗をかくメカニズムですが、人間には自律神経という体のあらゆる機能を調整する神経があります。飛行機が無事決まったルートや高さで飛べるよう、見守って指示を出す管制塔みたいなイメージですね。

この自律神経は体に「暑くて体温が上がりすぎちゃう!体温を下げるために汗をかいてね。」と指示を出して発汗を促し、命を守る役目をもっています。もし自律神経がなければ人間は暑い日はそのまま暑さに負け、熱中症で死んでしまうでしょう。それくらい大切なものです。

そんな自律神経ですが、オンオフそれぞれを担当する神経に分けられます。活動するとき優位になる交感神経と、リラックスするとき優位になる副交感神経です。この切り替えが上手にできない状態を自律神経失調症といいます。体の生きるための機能調整がうまく行かず、あらゆる不調が現れるつらい状態です。

汗の調整は交感神経(活動時優位の神経)のみが担当する部分で、交感神経が働くと汗が出る仕組みです。しかし、自律神経失調症のせいで本来リラックスするべき場面や、特に活動しなくてもいい場面でも交感神経が活動し、汗がただ漏れになってしまうことがあるのです。これが日常生活に支障が出るレベルになると多汗症とされます。

自律神経は張り巡らされたネットワークで、それぞれに担当場所を住み分けています。どこの自律神経のバランスが崩れるかで汗が吹き出る場所が変わってくるんですね。

なので手のひらだけ、顔だけ、どうしてここだけ?という場所にぶわっと汗をかく症状が出てきます。全身から汗が出てくる全身性多汗症の人もいますが、多汗症患者の1割ほどと言われています。多汗症と診断されるひとのほとんどが、部分的に汗をかく局所性多汗症と言われているんですね。

手汗は書物をすれば紙が破れてしまい、文字が書きにくく、鉄棒や球技などはいつも滑る危険が伴い、握手や物を渡すのにも手を拭く必要が出てきます。ワキ汗は体臭や服に汗じみができて恥ずかしい、顔汗の場合は「そんなに緊張してるの?怖いの?」と誤解されてしまうなど深刻な日常生活への支障が出る症状です。

常に汗で濡れている、汗が滴ってくるなどの状態が続くようなら多汗症を疑ってよいでしょう。

どうして多汗症になるの?どう治療するの?

多汗症は実は原因が不明な部分が多い病気です。ただ、原因は体の問題・精神の問題のふたつに大きく分けられると言われています。

まずは生まれつきの体質・他に病気がある場合など体の問題、もうひとつ最も多汗症の原因で多いと言われているのがストレスなど精神的な問題です。

  • 本態性型自律神経失調症…生まれつき自律神経の調整が困難・子供の頃から多汗症などが発症
  • ホルモンの問題…更年期障害・甲状腺の病気など
  • その他の病気…糖尿病・結核など
  • 神経症型自律神経失調症…ストレスを感じやすい個性などが原因
  • 心身症型自律神経失調症…強く慢性的なストレスに晒されたことが原因

生まれつきの本態性型自律神経失調症は自律神経失調症患者の1割ほどで最も少なく、子供の頃から多汗症や様々な不調が大人になってもずっと続きます。

またホルモンバランスの崩れも自律神経のバランスを崩し多汗症の原因になります、更年期障害は加齢によって女性ホルモンが減少して起きる健康の問題のことですが、その中でも全身の発汗が促される多汗症状態をホットフラッシュといいます。

甲状腺機能亢進症いわゆるバセドー病によって甲状腺ホルモンが分泌過剰になり、発汗が続く場合もあります。ホルモンバランスの崩れによる多汗症は全身に汗をかく特徴がありますので、注意して観察してみましょう。

その他の病気でも多汗症になるものがあるので、一緒に体調不良や持病がある場合は要注意です。原因がその他の病気である場合はその原因を治療することが多汗症を解消する道になります。よくお医者さんと話し合って治療を進めていきましょう。

精神的なことに原因があるグループの神経症型タイプは、何事にもこだわりが強く、不安になりやすい個性が引き金になることが多いと言われています。不安障害やノイローゼと隣合わせの状態であり、根気強い精神治療が必要になる例です。

同じくストレスが引き金になる心身症型ですが、強く慢性的なストレスに晒されることで起こる症状という点が神経症型タイプとは異なります。多汗症の半数がこの心身症型と言われており、最も多いタイプです。

多汗症も重症の場合、手術で交換神経を切除して発汗を抑える手術をする、ボツリヌス毒素を注射して汗を出す神経伝達物質をブロックし症状を抑える治療などが行われます。この場合診断は皮膚科・手術は各種外科で行われます。

また神経症型・心身症型の治療は心療内科の分野になります。カウンセリングや投薬で不安やストレスと向き合う治療がなされます。専門家とよく話し合い、ストレスをどうするか、どんな治療をしていくのか、病気と今後の生活をふくめて力になってもらいましょう。

多汗症は保険で治療することのできる病気です。病気が隠れていたり、心がピンチである可能性もありますので「これは危ないかも?」と思ったら、お医者さんに相談してみましょう。

多汗症と体臭

多汗症かな?と思っているひとで気になるのは、その汗くささだと思います。汗と体臭は切っても切れない縁、自分でできる対策は徹底したいですね。

人間が汗を流すための器官、汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺があります。いわゆる体臭の原因になる臭い物質を出すのはアポクリン腺と言われています。ワキガの原因になる器官ですね。対して多汗症のひとが汗を流すのはエクリン腺からの汗です。

エクリン腺の流す汗は水分が多く、あとはナトリウムやカリウムなどの電解質などでほぼ無臭です。ただ、水分が多いということはあっという間に汗が体温や外気で蒸発し、臭いを広げたり服などに移したりしてしまうのが大問題なんです。多汗症は体臭が広がりやすい状態と言えるでしょう。

アポクリン腺が出したタンパク質、脂質、アンモニアなどが常在菌に分解されたり酸化した臭い物質と、エクリン腺の水っぽい汗が混じり合って蒸発することで体臭が立ち上ってしまうんですね。さらにエクリン腺からの汗に含まれる水分が湿気を発生させ、ワキガの原因になる常在菌が増えやすくなる環境ができてしまいます。

何もしていないのに汗が滴るような重度の多汗症は病院へ相談することが先ですが、それほど重くもないけど手汗やワキ汗が気になる・・・。というひとは塩化アルミニウム配合の制汗剤がオススメです。

塩化アルミニウムは体に付着すると汗と反応し水酸化塩化アルミニウムに変化、汗腺を塞ぐ栓を生み出し汗がでるのを抑えてくれるんです。塩化アルミニウムはALCl3やアルミニウムクロリドと表記される場合もあるようですので、成分表示を見て配合されているものを選びましょう。

そしてできればスプレーではなく、塗るロールオンタイプのほうが制汗の作用が長持ちしますのでオススメです。制汗剤をつけた直後の効果はスプレーもロールオンもさほど変わりませんが、スプレーは水分など汗に弱く、流れてしまうため常に吹き付けていないと効果を維持できません。

ロールオンタイプは数時間効果が持続しますので、現実的な効果が期待できます。塩化アルミニウムは実際皮膚科での多汗症治療にも使われている成分なので、まずは塩化アルミニウム入りのデオドラントを使って様子を見てみましょう。

軽度のものの場合デオドラントでやり過ごすこともできますが、重症度や部位によっては病院でなければ対応できない場合もあります。あまり生活に支障が出るようならお医者さんに相談しましょう。


ページのトップへ